論文タイトル

46.東洋医学の見方 -代田文彦先生の本より-

 

東洋医学の見方

ー代田文彦先生の本よりー

 

①西洋医学の薬は人を冷やす。

②水はけが悪いと、体がガス欠になる。

③もうちょっと飲みたいところで止めておく。

④飲みすぎ食べ過ぎは体を冷やす。

 

第4部 東洋医学ひぐちクリニック

    樋口 理

 

 

 東洋医学の物の見方ー西洋医学の見方とはどこがどう大きくちがうのか?私は東洋医学の世界にはまり込んで10年ちょっと。一番ちがうのは、寒熱(その人が冷えているか熱があるのかー体質として、またその物質(食べ物、薬)が人を冷やすのか温めるのか?)

二番目は水毒(体内に余分な水が溜まり、それが災いする;西洋医学のほぼ全科に及びます。)

3番目は温める治療法が西洋医学には無く、東洋医学にはあること。4番目は飲み過ぎ食べ過ぎは体を冷やす。大ざっぱに言えば、この4点になるかと思います。

 

 東京女子医大;東洋医学講座の初代教授;代田文彦先生は鍼灸家の育ちで、幼少のころより、

東洋医学に慣れ親しまれています。東京女子医大;東洋医学講座在籍中に講談社より『もう大病院には頼らないー東洋医学であっけないほど【痛み】を癒す』という本」を出されています。

その中で、いくつか興味深い記述が有りますので、紹介します。

 

①西洋医学の薬は人を冷やす。

②水はけが悪いと、体がガス欠になる。

③もうちょっと飲みたいところで止めておく。

④飲み過ぎ食べ過ぎは体を冷やす。

 

①西洋医学の薬は人を冷やす。

「冷えってなんだ」。今一つピンとこない人も多いと思うのでもう少し、東洋医学の冷えに

 ついて説明しておこう。

 

「冷え」で具合が悪くなっている人は、いろんなことを言ってくる。たとえば、

「体がだるくて、頭が重いんです。胃がムカムカして朝ごはんが食べられない。ときどき動悸が

激しくなって、心臓病ではないかと心配になります。梅雨どきになるとひざが痛くって階段を降りるのがつらくなるんです・・・・・。」

まるで病気の問屋である。

具体的にいうと、頭痛、ゲップ、腹の張り、吐き気、食欲低下、倦怠感、めまい、動悸、乗り物酔い、ひざや手首の関節痛など・・・。

 

西洋の薬を使うとしたら、一度に何種類もの薬を飲まなくてはならないが、

「これは冷えている。温めてやれ」という東洋医学の発想で対処すると、案外簡単に解決できることが多い。たとえば、たった一つの漢方薬、たった一つのツボ療法で治ってしまったりする。

 

もちろん、西洋医学にはこんな発想はない。それどころか、下痢止め、咳止め、解熱剤、抗炎症剤そして抗生物質など、西洋医学の薬はほとんど、体を冷やす作用をもっているものばかりである。

 

ふだんから元気な人なら、ちょっと下痢をしたときなどは下痢止めを飲めばケロリと治るが、体が冷えている人が下痢止めのような「冷やす薬」を長く使うと体の自然治癒力が弱まり、なおさら体力を奪われてしまう。

たとえば、風をひくたびに抗生物質を飲み、一時はよくなったが、しょっちゅう風邪をひくようになったーーなどというのはその一例である。ボヤを消そうとして家財道具を水びたしにするようなもので、、こんなときは体を温めないとだめなのだ。

 ただし、西洋の薬がなんでもかんでもいけないわけではない。必要なら短期間だけ抗生物質を使えばよい。西洋の薬は、「毒をもって毒を制す」というニュアンスが強いので、細菌感染などの外敵をチョイトたたくのにうまく使えばいい。風邪をこじらせて扁桃腺炎になったなどは体がガンガン燃えて熱くなっているのだから冷やす薬を使ってもいいのだ。

 ところが、「体内の火」(炎症や発熱)が下火になってもまだ冷やし続けていると、とんだトバッチリを食らうわけである。

 ちょっと極端なことを言うと、がん末期の患者さんなどは冷え切った状態である。だから、そこに抗がん剤などがよると追い打ちをかけることになり、冷えは極みに達して体によい作用にはならない。

 しかし、東洋医学の薬や治療で体をドンドン温めてやると、がんそのものは治せなくても、患者さんは苦痛が取れて非常に楽になる。はっきり言うと、楽に死ねるのである。

 西洋の薬で冷やし過ぎたかと思ったらお灸で体を温めるーーという具合に、東洋医学の手法をちょっと取り入れてやれば、今よりずっと楽になる患者さんが大勢いるはずである。

 

【コメント】

 現在、大腸癌で肝臓へ転移のS様。お灸をしていますが、棒灸をすると体がかるくなり、疼痛部位にカマヤミニをすると、痛みはその場で軽減消失します。本当に楽になるそうです。

 

②水はけが悪いと、体がガス欠になる。

 ところで、先ほどから「水が乱れる」「水がたまる」などと言っているが、自分には関係ないーーと思ったひとも多いはずだ。だが、ほんとうにそうだろうか。

 

 突然で恐縮だが、あなたは昨夜ビールを飲みましたか?

 「風呂あがりに冷たいビールをぐぐっと一杯。たまりません」

なんて人は、口を開けて舌を突き出し、鏡でよーく見てほしい。舌の両側にギャザーを 寄せたようなギザギザが付いていないだろうか?

 

 そのギザギザは何か?なんとそれは、自分の歯型なのである。舌がむくんで元の大きさよりも

ふくれているため、歯列からはみ出た部分に歯が押しつけられて跡が付いたのだ。

舌がむくんでいるのは、あなたの体が処理しきれない量の水分をとったためである。そう、昨夜のビール。そうでなければお茶やコーヒーの飲み過ぎか・・・・?

 

 ほんとうに健康な人の舌にはギャザーは付かない。たぶん、あなたの体はめまいの患者さんと同じで、水はけが悪いのだ。こういう患者さんが現れたら、

「しめしめ。ちょっと治療すればぐんぐんよくなるぞ」と思わずニヤッと笑い、舌なめずりをしたくなるような状態である。

 舌がむくんでいるときは、胃もむくんでいる。胃も舌も消化器をという点では同じ組織なのだから、当然である。胃の壁がむくんでいると、水や食べ物がうまく消化吸収できない。

 

ひどくなると、横になった状態で胃の付近を手でたたくと、「ポチャポチャ」と音がする。

胃の壁から水分が吸収されないため、水がたまっているのだ。漢方の用語で「胃内停水」といい、胃腸虚弱の代表的な状態だ。

 

 こんな状態を放っておくと、どんどん体力が低下していくのは明らかである。体内で食物からエネルギーをうまくつくれないのだから、自動車でいえば「ガス欠」状態になる。

 「水はけが悪いって、そんなバカな。オシッコだってちゃんと出てるし、足もむくんでいないんだから!」と言いはる人は、今晩さっそく次のことを実行してみるとよい。

夕食のあとのお茶は一杯だけにして、夜8時以降はいっさい水分をとらない。もちろん食べてもいけない。食べ物はほとんどが水でできていることを忘れてはいけない。

 そして翌朝、舌をよく見る。ギャザーの跡はいつもより薄くなっているはずである。朝起きたときの感じも、いつもとは違うのではないだろうか?

 「おや、いつもより気分がいい。体調がよいようだ」と感じたならば、それこそが、あなたの体の水はけが悪くなっていた証拠ではないだろうか。

こんな症状は西洋医学の医者に見せても病名がつかないし、治療の対象にならない。

「何も異常ありません、合格ですよ」と言われるのがオチだ。ところが、東洋医学はアバウトというか、「水はけがいいか悪いか」というように体全体をおおざっぱにとらえるので、こんなささいなことでも治療対象になる。このへんが、東洋医学のユニークでおもしろい点である。

 むくんだ胃の壁を元に戻すには漢方薬や鍼治療もいいし、いろんな手段があるが、だれでも簡単にでき、確実な効果が期待できるのはお灸である。

「えっ?お灸なんて素人が自分でやってもいいの?」という人もいるが、大丈夫だ。

鍼は国家試験に合格した鍼灸師でないとできないが、お灸は自分で簡単にできるし、副作用の心配もない。もぐさ代など1年間500円もあれば足りる。しかも、素人療法でもちゃんと効く。お灸療法は「このツボにお灸をしたらこの病気が治った」という経験の積み重ねの集大成だから、効いてあたりまえなのである。

 

③もうちょっと飲みたいところで止めておく。

 

動脈硬化や糖尿病など、血管の老化がすすんでいる人は、水分を多めにとるように医師から言われることが多いだろう。血液が濃くなって血管がつまるのを防ぐためだが、これを別にすれば、ほとんどの人が水分をとりすぎている。これが最大の「悪いクセ」といってもいいほどだ。

 体が処理しきれない量の水分をとると、前に述べたように、胃袋はむくんでしまい、

「水はけが悪い」という状態になる。

 

筋肉の中に水がたまると体がだるくなり、内耳に水がたまるとめまいが起こり、脳がむくむと頭痛がする。また、腰痛やひざの痛みも「水の乱れ」の一つとして起こることが多い。

俗に「こり・冷え・痛み」といわれる日常のちょっとした不調は、たいてい、水はけが悪いことから始まっている。

ビールだのお茶だの清涼飲料水だの、何だって水分をとりすぎてよいことはない。

 

最も、このことを指摘すると、

「いや、私はそんなに飲んでいません」と言い張る患者さんも多いのだが、実際に1日に飲んだお茶やジュース類の量を合計してもらうと、たいていは「あれ、こんなに飲んでたっけ」と驚くものである。

さらに、水のとりすぎは胃腸虚弱につながり、消化吸収機能を低下させる。

英語で胃をガッツともいう。「あいつはガッツがある」という言い方があるが、文字通り、ガッツ(胃)が弱い人は体力がない。

 

何をしても具合が悪ければ、ねばりもなくなるから、ガッツがなくなるわけだ。

だから、朝起きたときから体がだるいとか、昼ごはんを食べると眠くなって仕事ができないなんてことにもなる。知らず知らずのうちに、いろいろな内臓の連携プレーがうまくいかなくなってくるのである。

 そもそも胃腸や十二指腸というのは、ただ食べ物を消化するだけの単純な臓器ではない。

胃酸などの消化液を分泌するだけでなく、消化酵素やホルモンなどのいろいろな分泌物を絶妙なタイミングと濃度で出すという、精妙なコントロールタワーをも備えた、とても複雑な臓器である。そこに一日何回も大量の水分が入ってくるとどうなるか?

 せっかくの消化液などが薄まってしまい、食べたものを消化しきれなくなってしまうのである。

 では、どれぐらいの量なら飲んでも害がないのだろうか?

これは自分で量を調節しながら「自分にとってベストの量」を体で覚えていくほかない。

プロレスラーのように丈夫でがっちりした人は多少のみ過ぎても何ともないが、ふだんから肩がこる、胃がムカムカして気持ちわるいなど、あちこち具合が悪いような体の弱い人が「体にいいから」などと言ってお茶をガブガブ飲めば(たとえ、それが健康茶であっても)、具合が悪くなるに決まっている。簡単にいってしまえば、「もうちょっと飲みたい」という」ところでやめておく。

これが水分をとりすぎない秘訣である。

 

④食べ過ぎ飲みすぎは体を冷やす。

 

なぜ、食べたいだけ食べてはいけないのか。---いくつかの理由がある。

食べ過ぎ、飲みすぎは胃腸を傷めつける結果、体から熱を奪い、体を冷やしてしまうのである。

胃腸が悪くなるとエネルギーをつくり出せなくなるから、熱が足りなくなる。だから冷える。

これは何度も書いた通りだ。冷えると具合が悪くなってくるのは、当然のーーー・。

 

さらにもう一つ、とかく人は冷たい飲食物を好む傾向がある。冷たいものをたくさん食べれば、

当然ながら体はじかに冷えてしまう。

冷えているために、体にゆがみが生じている人はじつに多い。

では、冷えないためにはどうしたらいいか。あたりまえだが、ビールやジュース、アイスコーヒーなどの冷たい飲み物を避けることだ。胃腸が弱りがちな夏場こそ、冷たい飲み物は避けるべきなのである。

 

体調をよくしたいと思うなら、1週間ほどビールやジュース類をやめてみると、どんなにか快適になるだろう。

 

お茶も控えたほうがいい。もともと緑茶は体を冷やす性質のものだと言われている。だから、眠たいときに緑茶を飲むと頭がすっきりするのだ。ウーロン茶も体を冷やす。麦茶は体を温める性質と言われるが、飲みすぎは禁物。なるべく温かくして飲むことだ。

 スポーツをするときの水分補給は大事だが、だからといって冷たいスポーツドリンクなどを一気飲みするのは愚の骨頂である。のどが渇いたら水は一口ずつ、かむようにして飲むのがいい。

これなら、いつもの量の半分で渇きがおさまるはず。

 ビールは体を冷やす。ビールを飲むと翌朝下痢をする人がいるのはそのせいである。日本酒はいいが、冷やはいけない。やはり、「酒は人肌の燗がいい」のである。適度のアルコールは血のめぐりをよくして体を温めるが、度を過ごせば体を冷やす。「あと一杯飲みたい」ところで、勇敢果敢にやめておくのがよい。

 体を冷やす食べ物については、トマトは寒性の食べ物、タマネギは温性の食べ物ーーなどと分類して、いろいろ難しいことを言う人がいるが、実証されたことでもないから、あまり気にしなくてもいいと思う。生のもの、お刺し身やサラダ、果物(とくにスイカやバナナなど南方原産の果物は体を冷やす性質が強い)を食べすぎないようにすれば十分であろう。

 体を温めるためになるべく食べたほうがいいのは、ニラやネギ、ショウガなど。大根も昔から

「脾」を助け、気のめぐりをよくする食べ物とされている。

 ただし、大根はサラダなどではなく、柔らかく煮て食べるのがよいだろう。

 そう言えば、中華料理にはもともと、生野菜のサラダはなかった。日本料理だって、野菜料理と言えば、まず、煮物やおひたしで、ウサギみたいにシャリシャリと生野菜をかじるようになったのは、戦後の高度成長期以降の話である。火を通さない野菜を食べないというのは、昔の人の知恵の一つかもしれない。

H.2017-07-07投稿

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

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