論文タイトル

1. 顔面神経麻痺・帯状疱疹の 東洋医学的治療の経験、花粉症への応用

1.東洋医学的治療の経験、花粉症への応用

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顔面神経麻痺・帯状疱疹の
東洋医学的治療の経験、花粉症への応用
第4部会 東洋医学ひぐちクリニック
                 樋口 理
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 東洋医学を志して9年。鍼治療を診療にとりいれて5年。
 沢山の経験をしましたので、八女筑後医師会の会員の皆様のお役にたてばと思い、顔面神経麻痺・帯状疱疹の東洋医学的治療の経験を記載します。
西洋医学とは全く別のアプローチで治療し、切れ味の鋭いものがあります。
 又、花粉症の季節でお困りの患者様が多数おられると思いますので、鼻づまり・目のかゆみの特効穴位を紹介します。患者様へご指導されると多少なりとも救われます。鍼治療をすれば、その場で軽減消失します。西洋医学ではアレルギー、東洋医学では水毒と解釈しますから、水分制限を指導されると、効果倍増です。

①顔面神経麻痺の一例   75歳  男性
○月10日 仕事中に肩や腕の力が入らなくなる。右肩の痛み・頭痛があり、全身がきつく、目のかゆみがある。右顔面の違和感もある。

○月12日 元来、右目の視力が悪く、目の異常かと思い眼科受診するも、特に異常なし。

○月13日 右目がふさがってきて、顔面のピリピリした感じが出現。右肩痛もひどくなり、唇が震え、下顎が下がってきて言葉がはっきり言えない。これはおかしいと思い、精査をうけるが、異常なし。また特に治療法もなし。

○月16日 当院受診。顔面神経麻痺の診断にて透鍼治療開始。
葛根加朮附湯3包3×で処方。

○月17日 顔のピリピリ感が軽減し、右肩の痛みも取れてきた。
 
○月18日 目が少し開けられるようになる。下がっていた口唇が挙がってきて、顔面の違和感も取れてきた。

○月19日 目が自力で全開できるようになった。顔面のピリピリ感は更に軽減し、口唇の状態もよくなってきた。

○月21日 言葉がはっきり言える。顔面のピリピリ感も消失。不快な症状が90%位よくなったと思う。

〔透針の図〕

健側…馬油 患側…桂皮末のアルコール漬けでマッサージを指導

『透針法』
顔面マヒの透針
玉龍歌 口眼喎針最可嗟  口眼喎斜は最も嗟(なお)り
                  やすし
      地倉砂穴連頬車  地倉の砂穴、頬車に連なり
      喎左瀉右依師正  左の喎(ゆが)みは右を瀉し
                  もとに正
      喎右瀉左莫令針  右の喎みは左を瀉し斜(ゆが)
                  ますことなかれ

顔面六透
  地倉→頬車    太陽→顴髎   陽白→魚腰
  攅竹→絲竹空   迎香→晴明   四白→承泣

 双側の合谷、同側の内庭、対側の太衝を加える
 効能:清熱琉風、散邪通路、活血化瘀(かっけつかお)、調和経脈
 主治:末梢性顔面マヒ(回復期)、頑固性顔面マヒ(三ヶ月以上)
 
 配穴加減法
 ①全額部のシワがないもの   陽白→頭維
 ②閉目できないもの        (1)上眼瞼マヒ 攅竹→晴明
                     (2)下眼瞼マヒ 承泣→晴明
 ③流涙目赤のもの         顴髎→晴明
 ④鼻にシワを寄せられないもの 巨髎(こりょう)→清明
 ⑤口角歪斜のもの         顴髎→大迎、地倉→下関
 ⑥耳の後が痛むもの        風池→風池
 ⑦長期間にわたり
   なかなか治らないもの     絲竹空→翳風
続発して現れる顔面ケイレンには火針が有効

コメント 顔面神経麻痺は自然治癒もあると思います。以前よりベル麻痺の後遺症の方などに鍼治療して好い結果でしたので、新鮮例に試したいと思っていました。 
     今回は5回の鍼治療で改善しました。治療期間の短縮がはかれたのでないかと考えてます。古い顔面麻痺の後遺症でも対応可能です。
     中国、韓国では顔面神経麻痺の患者さんは迷わず鍼治療がファーストチョイスとのことです。日本はかなり遅れているかもしれません。

②帯状疱疹の一例   17歳  女性
○月29日 左顔面の痛み水泡形成での発症。近医受診し、帯状疱疹の診断で投薬うける。
      鎮痛剤を服用しても痛みが止まらず、夜間不眠が続き、症状悪化するため○月31日当院受診。
○月31日 苦痛様顔貌。左顔面頬部より耳にかけて水泡形成、発赤、滲出液有り。耳から膿汁有り。経路では陽明経、少陽経と判断し手と足の穴位に置鍼。直後に患者より全然違うとの弁有り。15分後、疼痛ほぼ軽減。処方は龍胆瀉肝湯3包3×五苓散1包1×3日分
                   
○月2日  殆どどうもない。○月31日夜はぐっすり眠れた。処方変更。柴胡清肝湯3包3× その後廃薬。

コメント  帯状疱疹の治療:西洋医学では抗ウイルス剤、消炎鎮痛剤の投与。東洋医学では鍼と鍼と漢方薬。結構東洋でもいけると考えています。洋服があたると痛いなどには、皮内鍼を放射状にいれると、その場で症状が軽減消失します。

③花粉症の東洋医学治療―主に穴位治療
鼻づまり

迎香、清明、上星の穴位を指で圧迫するだけでも鼻づまりが軽くなり、予防にもなります。針をすれば、その場で鼻が通ります。

・目のかゆみ
  
攅竹、承泣、太陽の穴位を指で圧迫すると目のかゆみが軽くなり、予防にもなります。針をすればその場でかゆみ軽減消失します。

・鼻水  鼻づまりの穴位に針をすると効果的。鼻水(卅)は大椎に灸すると止まります。

コメント 信じてお試しあれ。

参考 大椎穴の効能
①にきび…熱を抜きます
②喘息・気管支炎…温めます
③気分の落ち込み、パニック障害…温めます
④風邪…温めます
⑤等等、西洋医学では考えられないような事が出来ます。

 

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

医院概要

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