論文タイトル

22.東洋医学の小経験  最近の症例から

22.東洋医学の小経験  最近の症例から


東洋医学の小経験
 最近の症例から

東洋医学ひぐちクリニック
    樋口 理

最近経過が早く展開した症例がありましたので、報告いたします。

【症例1】54歳、男性
C.C.;眼が痛む
P.I.;10年来、パソコンを使うと眼にくる。眼が赤くなり、痛くてしょうがない。
目薬をしているが、一進一退である。漢方と針でどうにかなりますかと依頼あり。
治療&経過;目の針四穴八針を施行するも反応いまひとつ。
経過が長く、かなりのストレスと考え、又眼が赤く痛むのは東洋医学の肝火と考え、四逆散と竜胆瀉肝湯を投与、1週間後かなり良い。2週間後全然違う。廃薬。
コメント;眼が赤く痛むのを西洋医学では炎症、東洋医学では熱或いは火と考えますので清熱瀉火の作用のある竜胆瀉肝湯を標治として、ストレスに対する主方四逆散を本治として投与しました。
飲み初めて2~3日目より違ってきたとのことで2週間で廃薬となりました。

【症例2】N.J.63歳、女性
C.C.;左足のしびれと痛み
P.I.;2年前、自分がドナーとして肝臓を夫に移植。しかし甲斐なく夫が亡くなりその後2ヵ月して、左足のしびれと痛みが出現。
治療しているが、かんばしくないと受診される。
左足は冷えて仕方ない。ホッカイロや湯たんぽを使っているけれども温もらない。
漢方や針でどうにかなりますかと依頼あり。

治療&経過;初診時、裏寒、腎虚として温裏剤と牛車腎気丸を投与し、鍼治療施行するも、経過が何時もと違い、鍼治療でかえって疼痛が増強するとの訴えあり。ご主人の事を聞くと涙ぐみ、すぐ頭に浮かぶとの返事あり。ストレスかもしれませんよと説明し、処方変更。

四逆散と五積散を投与。1週間後、漢方を変えてもらってから、漢方薬は甘く、飲むと脚が温もってくるのが分かったとの事。
3日目から全然違ってきたと。腰のヘルニアが原因と思っていたが、こんなこともあるんですねとビックリされるや痛みが軽減して嬉しいやらでした。

コメント;整形外科では、痛みの原因をすぐに器質的変化に求めようとして、画像診断を優先しがちです。そして痛みに対しては“止める”が原則で薬を使います。それでうまくいけば問題なしです。が、本例のように、ストレスを取る漢方で痛みが軽減すれば、器質的変化は、本当に痛みの原因なのか迷よってしまいます。東洋医学では『冷えると痛む』『通じないと痛む』が原則で、ストレスは『冷え』に働きますから、納得できるのですが---

【症例3】I.T.66歳、男性
C.C.;頭が重く、首がさがってくる
P.I.;平成25年9月より頭が重くて、首が下がってきた。何をするにも、人と話するのも、食事の時も手で顎を支えてないといけないので不自由で仕方がない。脳外科や泌尿器科など7~8軒受診したが、原因はわからない。治療法も無い。従兄弟より漢方と針でどうにかなるかもと薦められて平成26年4月2日受診。

治療&経過;気虚として、先ず調気、百会棒灸、頸背部の凝りに置針。大椎にも棒灸。
漢方は補中益湯を投与。
4月4日;コロット違う。3日の朝起きて、歯を磨き嗽するのに、水道の蛇口に直に口をつけれた。又、車運転でバックは体事後ろを向かないと行けなかったのが、普通にできた。漢方薬の効果と思い、尋ねると、漢方薬は飲む暇がなかったとの事。で『針と灸が、こげん効くちゃ知らんかった』と一言ありました。
私はてっきり漢方薬が速効だと考えたので、ビックリしました。針灸治療の破壊力の凄さをまた再認識しました。

コメント;鍼灸の世界では、『陰病は陽で治す。陽病は陰で治す。』が大原則です。
陰とは四つん這いになった時に、日の当たらない喉や胸腹、四肢の内側を指し、陽とは日に当たる項頸部・背中・腰部・四肢外側を指します。首が下がるのは陰の病と考えれば、陽の百会や大椎に棒灸をするのは理にかなっています。が、こうも劇的に効果があると、私も患者様もビックリの世界です。先人の知恵おそるべしと唯々感服しました。

【症例4】T.T.37歳、女性
C.C.;手足のシビレ、手の皮がうすくなった
P.I.;H25.7.大腸癌の手術施行、抗癌剤の投与後手足のシビレ出現。主治医からシビレは、抗癌剤の副作用なので、治療法は無いと説明されたが、不愉快で仕方が無い。漢方や針灸などで、どうにかなりますかと依頼あり。H26.3.14.受診

治療&経過;東洋医学ではシビレは水毒が圧倒的に多いと説明すると、抗癌剤の投与で点滴を始めると、手足がむくみ、シビレがひどくなり、看護婦さんから温めて貰うと軽くなったと言われました。

手に八邪を施行し、肘関節の圧痛部に灸頭針、天窓に吸い玉、頸背部の凝りに置針。漢方薬は、抗癌剤治療後の疲労感強いため、気血両虚として十全大補湯を投与。
鍼治療のたびにシビレは軽減し6回の治療で消失しました。又足のシビレには、足関節が重いとの訴えもあり、踵痛の針を一緒に施行。直後に、足の重い感じは消失し、シビレも軽減しました。

コメント;シビレは西洋医学では神経がらみの症状ですが、東洋医学では水毒が圧倒的に多く、他に血虚や肝鬱があります。いつもの様に水毒に準じて、鍼治療を施行し症状は軽減消失しました。
私の経験では、抗ガン剤の副作用としてのシビレは本例を含めて3例しかありませんが、最初の1例は火針2回で簡単にシビレはとれました。
2例目は、半信半疑で脱落。本例が3例目で、普通の水毒と同じような経過で治りました。西洋医学では、積極的な治療法が無く泣き寝入りしている方が多いとおもわれます。
この方は、五月の連休に缶ビールを飲まれ、シビレが再度出現し、さらなる納得をされました。症状に再現性があり、治療で消失しました。やはりこのシビレは水毒でした。

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

医院概要

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【院長】樋口 理
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