論文タイトル

24.東洋医学の小経験 “お灸パワー”

24.東洋医学の小経験 “お灸パワー”


東洋医学の小経験
“お灸パワー”

東洋医学ひぐちクリニック
樋口 理

西洋医学一辺倒の時は、膝の周りに灸の跡でもあれば、患者様に注射するのに感染しやすくなるからと怒るような口調で注意してきましたが、東洋医学の門を叩き、お灸の凄さを知ると、360度掌をかえし患者様に灸を薦めている自分がいました。
本当に人間とは、ご都合主義で、経験して知って物を言うのと、知らずに物を言うことの“愚かさ加減”をつくづく実感しました。『お灸』たかが『お灸』されど『お灸』。“お灸パワー”を実感した症例を示します。

【症例1】65歳、女性
C.C.;足の魚の目が痛む
P.I.;若いときから魚の目ができやすく、スピール膏を貼って削っているが、すぐに再発して治らないので、あきらめている。娘から薦められて受診。
治療&経過;東洋医学では『冷えると硬くなる』(寒凝)と説明し、冷えに対しては治療は温めると説明。納得?半信半疑ながら、灸で焼き切る治療を開始。冷えている方はお灸の熱さを感じません。

この方も最初の頃は熱く感じませんでしたが、除々に熱さを感じるようになり、魚の目も黒くなり、ある日ポロットとれました。痛みの方は、お灸を始めたその日から激減です。時々受診されますが、魚の目は再発せず経過良好です。もう4年目になります。
お灸が面倒臭いときには、火針が早いです。

コメント;西洋医学ではスピール膏或は外科的切除ですが、東洋医学では、温めるです。
魚の目、腱鞘炎のプーリーが硬くなる、手根管症候群の横手根靭帯が硬くなる。全て、冷えて生じると考えます。西洋医学にはない概念です。
他の魚の目の例も痛みは即座に軽減し、今のところ再発ゼロです。

【症例2】36歳、女性
C.C.;排卵痛で寝込む
P.I.;次女出産後よりなんとなく体調不良。1年前より○ルを服用しているが、効果無く、排卵痛で酷いときは2〜3日寝込む。友人がお灸で生理痛がよくなったと薦められて受診。

治療&経過、コメント;
東洋医学では生理痛は冷えが原因と考えます。女性にしかわからないと思いますが、はげてくる時に、子宮の温度が一定であれば、トマトや卵をボイルしてかわをはぐとスルットむけるように、スットはげてくるのですが、冷えてむらがあれば、そこではげにくくなり、痛みが生じます。
治療は温めるで、三陰交にお灸をすると生理痛は軽くなり、ついには無痛となります。排卵痛も同じように軽くなり、無痛となります。○ブや★リンを飲まなくてよくなります。10年以上○ブや★リンを飲んでいる方でも、良くなります。
生理痛の割合は韓国•中国では3人/10人、日本では7〜8人/10人だそうです。
冷えている女性が多く、それが不妊の原因とも関係ありそうです。東京銀座の寺師先生は、日本中から訪れてくる不妊症の方々(西洋医学でうまくいかなかった)を漢方治療のみで6000例出産に成功されています。
漢方薬で温めるが効いていると思われます。

【症例3】48歳、女性
C.C.;しもやけが酷く、夜痛くて眠れない
P.I.;毎年冬は霜焼けになるが、今年は特に酷くて、夜痛くて眠れないと受診される。

治療&経過; 患部は赤く腫れて、グシュグシュした状態。深谷のしもやけの灸を肘に3カ所施行し、各指の井穴より刺絡し点刺出血。漢方薬は当帰四逆加呉茱萸生姜湯と桂枝茯苓丸を投与。漢方軟膏;紫雲膏塗布を指示。
3日後来院。その日の夜は痛みは無く、熟睡できたとの由。グシュグシュ状態も改善していました。

コメント;東洋医学では、しもやけは冷えと瘀血が原因と考えます。冷えに対しては温めるでお灸を、さらに静脈の鬱滞を除くために刺絡し点刺出血を施行しました。
本例以外でも、同じような効果があり、再現性があり速攻です。厳寒の時期でも効果あります。1年を通じて食事に注意すると、寒冷暴落してもおきなくなります。

【症例4】32歳、女性
C.C.;左中指がギシギシいって伸びない
P.I.;3週間位前より、左中指がギシギシいって伸びない。特に朝がよくない。

治療&経過;背中の至陽(肩甲骨下端のツボ)から圧痛点を探し、そこへ灸をしつつ、患部の運動療法をさせると、左中指のギシギシ感が消失しました。指も伸ばせて違和感なし。陰性食品を制限し、利水剤を投与。1週間後来院。翌日の朝より症状は消失したとの由。

コメント;西洋医学では、ステロイド注射。東洋医学では、最初は刺絡をしていましたが、深谷式の灸も効果があると聞き、説明し納得の上の第一例目です。背中のつぼで治療できるとは、不思議でしたが、効果は抜群で超速効でした。患者様も不思議がっていました。症例を重ねてみたくなる治療法です。

【症例5】13歳、女性
C.C.;右手がしびれて、鉛筆がもてない
P.I.;◯月2日朝より右肩に少し痛みがあったが、登校。除々に右手にしびれが生  じ、鉛筆がもてなくなり、午後早退して受診。半分泣きそうな顔。

治療&経過;右手に八邪をし、棒灸をしました。針は初めてで恐そうでしたが、刺入直後に右手指のグーパーを指示すると、違和感が変化したみたいで、顔がほころび、『違う』と一言。15分後鉛筆を持ち、字が書けました。顔はニコリとしていました。

コメント;やはり、鍼灸治療は超速効です。いつも経験する度に、感動します。
東洋医学の解釈では、この方は前日の入浴後のアイスクリームが災いして、朝右肩が痛み、その日の昼食の牛乳で更に冷えて肩の痛みが増強  し、水毒としてのしびれも出現し鉛筆が持てなくなったと考えます。

治療は針で気•血•水を動かし、お灸で温め、冷えを散らすとなります。わずか15分で症状軽減です。
比較的新しいしびれは、この症例のように簡単にとれます。固定化したしびれ特に下肢のしびれは、水を腎臓•膀胱まであげないと排泄できませんから時間がかかります。
西洋医学一辺倒の時は、しびれは解決できない問題で嫌でしたが。解決出来ると好きになります。
本当に人間とはご都合主義とつくづく思います。

【症例6】67歳、男性
C.C.;喘息が治らない
P.I.;以前から喘息の治療をしているが、すっきりしない。薬はあまり飲みたくないし、ーーーー。
いつまでいまの治療を続けなければならないのか?薬や吸入をしないでいいようになりたいとーー

治療&経過;喘息の治療は経験上ありませんがと、前置きして治療はできますよと。
東洋医学では肺は乾燥を好む臓器ですが、湿が入り込むと、肺中冷となり喘息になると考えると説明。咳や痰は、排泄現象で不愉快だからと止めるのではなく、肺中冷を治す治療をしようと説明し納得のもとに、背中のつぼに棒灸や灸頭針を施行。3ヶ月すると、以前よりかなり良いとの弁あり。

湿度が高くなる雨の日や台風の前でも以前より楽の由。棒灸のセットを購入してもらい自宅でもしてもらいました。
6ヶ月後、喘息の薬飲んでない、吸入もしていないが調子がよいとの由。わたしにとって初めての喘息の症例です。もう2年になりますが喘息の症状はおきていません。

コメント;肺中冷の概念は西洋医学にはありませんが、花粉症も同じです。背中の大椎や肺兪を中心にお灸で温めてー半生乾きの衣類にアイロンをかけて乾かすの意—あげると鼻水は簡単に軽減消失します。
脊椎の両側を針や灸で刺激することによって、肺に関係している神経を賦活化するのではないかと考えています。

私の友人は、入院患者の肺線維症が2ヵ月毎日お灸と吸い玉でかなりよくなったと言ってました。
現在、気管支拡張症の方に、此の治療方を行っていますがCRPが初めて下がり、なんとなく調子よいと言われています。

【症例7】66歳、男性-2回目の登場です
C.C.;頭が重く、首がさがってくる
P.I.;平成25年9月頃より頭が重く、首がさがって来た。
何をするにも、人と話をするにも、食事の時も手で顎を支えていないといけないので不自由で仕方がない。
頸部が原因、或いは男性更年期と思い、複数の医療機関を受診したが、原因は分からず、治療法もない。従兄弟より漢方と針でどうにかなるかもと薦められて平成26年4月2日受診。

治療&経過;気虚としては、先ず調気、百会棒灸、頸背部の凝りに置針。大椎にも棒灸。漢方は補中益湯を投与。4月4日受診、コロット違う。3日の朝おきて、歯を磨き嗽するのに、水道の蛇口に直に口をつけれた。
又、車運転でバックは体事後ろを向かないといけなかったのが、普通にできた。
漢方薬の効果と思い尋ねると、漢方薬は飲む暇がなかったとの事。で『針と灸が、こげん効くっちゃ知らんかった』と一言ありました。
私はてっきり漢方薬が即効だと考えたので、ビックリしました。針灸治療の破壊力の凄まじさをまた再認識しました。

コメント;鍼灸の世界では『陰病は陽で治す。陽病は陰で治す。』が大原則です。
陰とは四つん這いになった時に、日の当たらない喉や胸腹、四肢の内側を指し、陽とは日に当たる項頸部・背中・腰部・四肢外側を指します。
首が下がるのは陰の病と考えれば、陽の百会や大椎に棒灸をするのは理にかなっています。が、こうも劇的に効果があると、私も患者様もビックリの世界です。先人の知恵おそるべしと唯々感服しました。

【症例8】42歳、女性
C.C.; 逆流性食道炎を治したいー薬を止めたい
P.I.;3年前より逆流性食道炎の診断で治療しているが、治らない。
いつまで今の治療を続けなければならないのかと思うと、うんざりしてくる。漢方と針でどうにかなりますかと受診される。

治療&経過;逆流性食道炎は東洋医学では胃気上逆ー正常、消化管は口から肛門へ向かって動きますが、逆蠕動を胃気上逆と説明。治療は降気。針は苦手との事で、灸を中心に治療開始。足三里、内関、中脘等への灸施行。
降気の漢方薬は、数種類の中で茯苓飲合半夏厚朴湯が甘いとの事で処方。
1日に何度も逆流があったのが回数が減り、毎日が数日/週となり、1ヶ月で逆流がおきなくなりました。その後は、漢方薬の服用回数を減らしても症状が再発しないのを確認しつつ、廃薬となり治癒。

コメント;中空臓器が逆蠕動という概念は西洋医学にはないと思います。東洋医学では、そういう概念があり、治療薬や治療の穴まで用意している昔の人は何時も凄いと、唯々感服します。3年の治療で今一つが1ヵ月で目処がつき、数は少ないですが、逆流性食道炎は漢方と鍼灸治療でも結構いけるのではと考えています。

【症例9】38歳、男性
C.C.;頭がボーットして、車の運転ができない
P.I.;1ヶ月前、熱中症にかかり、その後頭がボーットして、車の運転ができなくなった。
色々検査したが、どうもないと言われ、心療内科をすすめられた。
親戚が心療内科の治療で薬物の副作用で苦しんだので、恐くなった。西洋医学以外の治療と考え受診。

治療&経過;頭がボーットは血虚、1ヵ月悩まれているので、気血両虚として、十全大補湯投与。
鍼治療は調気、三気海、頸背部の凝りに置針。大椎に棒灸施行。治療直後『全然違う』と弁あり。
4日後来院、スッカリ良いが、不思議だとーーー。

コメント;頭がボーットは血虚と漢方用語に変換し、後は薬を選ぶだけで解決すると思いますがーー。
西洋医学だけでは、片手落ちの症例と考えます。針灸治療は気の問題を簡単に解決します。
1ヶ月間の悩みが、鍼灸治療直後に軽減し、4日で治癒です。西洋医学でバッチリの方は別として、色々な不定愁訴を解決したいとお考えの方には、東洋医学はお薦めです。不定愁訴がアットいう間に宝の山に変身します。!!!

H26.7.15.投稿

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

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