論文タイトル

3. 鍼灸治療の小経験(眼科編)

3.鍼灸治療の小経験(眼科編)


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鍼灸治療の小経験(眼科編)
第4部会 東洋医学ひぐちクリニック
                 樋口 理
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 中医学の鍼灸治療は奥が深く、ほとんどの方は存じないでしょうが、西洋医学全科にわたってカバーすることができます。鍼灸治療は、日本では存在は薄く、疼痛疾患に対してのイメージしかありません。しかし、欧米諸国では正式に認められてアメリカでは現在49州で鍼灸治療が行われています。ファーストチョイスは精神科的なものだそうです。
 鍼灸治療をとりいれて5年。参考にしている資料を先ず示します。
 四穴八針在眼科臨床応用;中国中医眼科雑誌14(3);138,2004

 

臨床における四穴八針の応用
張  彬 河北省人民医院中医眼科


四穴八針は当科の龐賛襄教授の刺針治療経験によるものです。

四穴八針の主穴
承泣・太陽・攅竹・風池

刺針の手法および置針時間
平補平瀉の手法を用い行針し、通常、提挿は行わず置針時も捻転を行わない。抜針はゆっくりと行い、抜針後施術部は消毒綿を3~5分圧迫する。
刺針の際には承泣は5分~1寸、太陽は3分~5分、攅竹は眉毛の端から下に向け皮下に3分~5分、風池は5分~1寸刺入する。置針は30~45分間、12回を1クールとする。

適応症および経穴部による加減法
四穴八針の適応症は、成人の球後視心神経炎・視乳頭炎・網膜炎・乏血性視神経ニューロパチーなどである。

早期の白内障:上星・百会を加え施術する。

緑内障:投薬後あるいは術後の眼圧が高くない患者に対して四穴八針を用いることができる。

四六八針の主穴
網膜色素変性症:四穴八針に手三里を加えて治療を行う。

ヒステリー性失明:四穴八針に通里を加える。痛里は重刺激の手法を使用し置針は行わない。

外眼病の急性結膜炎:羞明(光をまぶしがる)・眼痛がはなはだしい患者に対しては四穴八針より承泣を除いて治療を行う。

角膜炎:羞明・眼痛はなはだしい患者に対しては、四穴八針より承泣を上星・百会を加え治療を行う。

麻痺性斜視あるいは目瞼下垂:四穴八針より攅竹を除き透眉穴(絲竹空から攅竹にかけて透針、皮下一寸半の深さ)を用いる。

眼精疲労:四穴八針に上星・百会・頭臨泣を加え治療を行う。

弱 視:四穴八針に透眉穴を加え治療を行う。

眉稜骨痛:四穴八針より承泣を除き上星・百会・頭臨泣を加え治療を行う。

迎風流涙:四穴八針に上星・百会を加え治療を行う。

遠視・近視:鍼治療は一時的な視力の回復は望めるが、長期間の治療効果の維持は難しい。

 出展:四穴八針在眼科臨床的応用、中国中医眼科雑誌
     14(3):138.2004
 翻訳:角南 芳則

 眼痛、眼精疲労、飛蚊症、流涙、結膜炎などは比較的簡単に四穴八針でとれます。

 次いで、印象深い症例を示します。
症例1) 40代後半  女性。
 網膜色素変性症でレーザー治療を3回うけられても、視野が半分暗くて、家の中での行動に際しても肩が柱や壁にあたる。蛍光灯をつけるのに、ヒモを掴むのに1回で掴めない。
 鍼灸治療でどうにかなりますかと依頼あり。
 四穴八針2~3/週、3/4ヶ月で視野が少し明るくなり、壁や柱にぶつかる頻度が減り、蛍光灯のヒモも1回で掴めるようになった。自然治療癒力はすごいと感じた私の第一例めです。

症例2) 58歳   女性。
 50肩で漢方と鍼治療の方。他の患者さんの眼の鍼治療を見て、左目の葡萄膜炎がステロイド点眼薬をしているが一進一退で、鍼治療でどうかなりますか?と依頼を受けました。
経験はありませんでしたが、四穴八針について説明し承諾を得て、治療開始。
経過:
 H25.1/39:目の五輪学説に基づき、心・肺・肝・腎経の栄火
        穴(熱をとるツボ)に置針30分。
     2/4:治療翌日は目の充血はとれていた。
       6:鍼治療の効果を実感されたので、つめて治療
        したいとの由。
       8:目の充血、乾燥感が無くなった。
      12:緑内障もあり、眼圧は22mmHg
      15:眼がスーッとした。
      22:10のうち、後1~2残っている。
      28:眼圧19mmHg

症例3)  37歳   男性。
C.C. 炎錐角膜で角膜移植しか治療法がない。東洋医学
     でどうにかなりますか?
     右目が特にひどいとの事。
《参考》
円錐角膜:角膜の湾曲異常で、円錐状に前方に突出。原因不明、若い人に多い。視力障害が進行し、後にはレンズでも矯正不能となり、視力0.1以下になる。角膜移植しか治療法が無い。
治療及び経過
 H24.6/6より四穴八針を中心に漢方薬を使用。物が2重3重に見えていたのが、段々焦点が定まってきた。

視力検査 

 
 24.5/23   0.3(1.0)   0.4(1.0) 
  9/29   0.3(0.9)   1.0(1.2) 
  12/26   0.5(0.9)   0.7(1.2) 

 眼科の先生には、漢方と鍼治療をしていることは話されており、よくなってきているとの評価をもらっています。先はまだ長いですが、自然治療癒力はすごいと思わせられた症例です。

コメント・・・・・西洋医学の限界を感じた、又は、東洋医学に興味のある方、ご連絡下されば更なる情報提供できます。別世界が待っています。

 

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

医院概要

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【院長】樋口 理
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