論文タイトル

33.東洋医学の小経験 ー『年よりの冷や水』ー

33.東洋医学の小経験 ー『年よりの冷や水』ー


東洋医学の小経験
ー『年よりの冷や水』ー

第4部 東洋医学ひぐちクリニック
樋口 理

平成の現代は新聞やマスメディア他皆こぞって”水飲めブーム” ですが、ー『年よりの冷や水』【生水、生野菜、果物、牛乳、酢ほかの過剰摂取】ーを地でいきとんでもない目にあっている方々を沢山経験します。桑原桑原!!
人は加齢と共に、陰性に傾きます。養生訓(貝原益軒著)では、高齢者の食事の仕方は腹5部以下がベストだと推奨しています。
ー『年よりの冷や水』ー;成語大辞典;主婦と生活社;によると
『日本の江戸時代の慣用句。
【意味】老人が冷たい水を飲んだり浴びたりするの意味から、老人が自分の年と体を顧みずに、若い人のように激しい運動や危険なことなどをすること。老人が無理をして元気さを示そうとすることのたとえ。
【解説】老人が、冷たい水をがぶがぶ飲んだり若い人と同じように激しい運動や仕事をしたりすることは体によくない。それなのに、自分の年を顧みず元気のよい振る舞いをするとき、自嘲ぎみに用いる。また、それをまわりの者が冷やかしたり、注意したりするのに用いる。江戸いろはカルタにこのことわざが取り入れられている。ーー文字絵づくし、奥村政信画、絵本、江戸中期か
【関連語】年寄りの力自慢、老いの木登り。』

”水飲めブーム”を信じて、沢山の陰性食品をとり、ー『年寄りの冷や水』ーを地でいき、とんでもない目にあっている方々を紹介し、東洋医学指導•治療とその結果をしめします。

(症例1)S.Y.;72歳、男性
C.C.;右手関節痛と腫脹
P.I.;6ヶ月位前から、右手関節痛が出現。朝が特に悪く起きるのに手をつけない。
夜中にウズクこともある。洗面、歯磨きなどねじるのが良くない。食事や書字など日常生活上の支障がひどくなり受診。
治療&経過;陰性食品(朝;牛乳、人参ジュース、昼;緑茶2杯、夕;焼酎お湯割り2杯コーヒー2杯)を制限し、鍼治療は調気(四関穴、三気海)、頸背部の凝りに置針。患部は八邪、肘関節に灸頭針。1週間後大分良い。夕方の焼酎お湯割り2杯を止めるとよくなりますよと助言。2週間後、1/3にしているが、良い。更に2週間後、良い。1/3にしているとストレスがたまる。痛いのと、晩酌の欲望とを天秤にかけてどちらをとりますか?と尋ねるとーーしばし沈黙。晩酌の欲望をとり当院の売上に協力するのと、晩酌を止めてあなたが儲かるのとどちらをとりますか?ともう一度尋ねると自分が儲かるほうが良いとのこたえでした。2週間後、どうもないとーーー廃薬治癒。
【コメント】東洋医学の世界では『朝方の不調は、夕食から寝る前の陰性食物の影響』だと考えます。この方は最初は『朝方の不調は、夕食から寝る前の陰性食物の影響』は全く信じられず何十年も晩酌しているのにーーー。私に対して「そげな事は初めて聞いた」と笑い飛ばしていましたが、痛みから逃れたく、夕方の焼酎お湯割り2杯を自制されました。さらに自制を続けられ、それと共に痛みが軽減し、『こげなこつもあるったい』と一言。東洋医学の世界では、痛みは《冷えると痛む》がtrue真実で、治療法はあたためるですが、この方の様に、本当の原因を除いてあげると、治って行かれます。

(症例2)S.F.;81歳、男性
C.C.;右肩があがらない
P.I.;2ヶ月前に脚立より落ちて右肩の骨折をした。骨はつながり、毎日リハビリをしているが、右肩があがらない。こわった感じがあり痛みもある。娘から経過がおかしいから、治療法を変えたらと薦められて10/27受診。
治療&経過;陰性食品のチェックをすると、朝水1杯、緑茶9杯/日、寝る前に牛乳1ℓ出来るだけ陰性食品を制限と指示。鍼治療は右手に八邪、肩関節周囲に灸頭針、頸背部の凝りに置針。上病下取•陰陽交差に従い、左の上口、承山に透針して右肩の運動療法。鍼治療直後に、『感じが違う』と一言その後、右肩がスーットあがるようになり、不思議そうに、『これはなんだ?知らんかった』と更に一言。10/29受診。牛乳他止めている。肩は上がっている。『2ヶ月もリハビリしていたのが、1回であがり、不思議でしょうがない』と。『生まれて81年、知らんかった』と。
【コメント】自分の一番弱い所(外傷があればそこに)に、体質の冷えが影響してくるというのが東洋医学の考え方です(私の独断と偏見が多々加味されていますが)。この方は「何でも飲む」と豪語されていましたが、牛乳他止められて、肩があがるようになりーーTVやマスコミが『水をとれ』を真に受けて、骨粗鬆症の予防に寝る前に牛乳をのもうを守られたのが災いしました。冷えの体質を捕まえてしまいました。”冷えは万病の元;桑原桑原ーーー!!”

(症例3)S.N.;70歳、女性
C.C.;腰下肢痛(ふくらはぎがビャーンとする)
P.I.;半年前位から腹痛と両方のふくらはぎの痛みが出現するようになった。MRIで神経がハッキリ圧迫されているのが原因と言われ、薬で治らなかったら手術しかないと言われた。毎日毎日ふくらはぎがビャーンとして、じゅつなか。親戚から紹介されて受診。
治療&経過;陰性食品(朝;バナナ+ヨーグルト、入浴後;野菜ジュース1杯、水1ℓ/日寝る前;リンゴジュース1杯)を制限。鍼治療は調気(四関穴、三気海)、足に八風、肘関節の膝三穴に置針し、遠位置針ー患部運動療法、頸背部の凝りに置針。漢方薬は裏寒に附子理中湯、気血両虚に十全大補湯、腰下肢痛に桂枝加朮附湯、八味丸を投与。1週間後ふくらはぎがビャーンとする訴え消失。右はかなりよい、左はふくらはぎが痛む。九味檳榔湯を頓用。更に1週間後、左も良い、どうかするとほとんど忘れている事が多い。
【コメント】MRIで神経がハッキリ圧迫されているのが原因で、腰下肢痛(ふくらはぎがビャーンとする)が生じると思い込まれていましたが、東洋医学のアプローチで陰性食品が制限すると、2~3日目から症状が違ってきたそうです。知らずに、健康のために善かれと考えて取っている陰性食品が災いしていました。高齢になってからの陰性食品摂取は本当に『年よりの冷や水』へ一直線となります。

(症例4) E.Y.;61歳、女性
C.C.; 胃痛と腰痛と右頸部痛
P.I.;毎年9月頃位から胃痛と腰痛と右頸部痛が起こる。翌年の3月ころまでよくなったり悪くなったりを繰り返す。又生後まもなくから今まで毎年11月中旬になると霜焼けができる。それもどうにかして欲しい。治らないしかゆくてたまらない。
胃痛と腰痛が起こったときの食事内容をチェックするとミカンを大量に食べた時との事が判明。尋ねると、幼少時よりミカンを食べて体が黄色になっていた。多いときはミカン10個くらいはスーット食べていた。
治療&経過;陰性食品(ミカン、コーヒー)の制限を指示。鍼治療は調気(四関穴、三気海)。頸部は胸鎖乳突筋の圧痛強く、横刺。頸背部の凝りに置針。漢方薬は腹診で臍周囲の冷感強く、裏寒として附子理中湯合大建中湯、八味丸などを投与。臍周囲の冷感は3ヶ月位してやっととれてきました。かなりの冷えです。胃痛と腰痛と右頸部痛は治療に反応し、軽減しましたが、時々訴えられます。おかしいと思い尋ねると、ミカンを温めて1個食べた後に症状がでているようです。それを中止して貰うと、症状がでなくなりました。
【コメント】冷えを捕まえた方は、風呂桶が満杯状態で何か刺激があると、一番弱い所へ、水があふれ出す様に、冷えが入り込み症状をていします。この方は胃痛と腰痛が起こった原因がはっきり分かり大喜びですが、大好きなミカンが腹1っぱい食べれないと少しガッカリされていますが、ーーー11月中旬になり冷えてきました。毎年11月17日が鬼門で手指に霜焼けが出来ますが、今年は様相が変わりました。気温10℃以下の寒冷暴露をしても霜焼けが出来ません。去年までとは全然違うとーー「霜焼けの原因もヒョットしたらミカンですか?」とある日質問があり「何で?」と聞くと、「ミカンを止めて自分の体の不具合が全部よくなったから」と返事があり、「ピンポン、東洋医学の凄さわかったね」と答えました。『冷えは万病の元』はやはり本当だとつくづくおもいました。

(症例5) T.K.;76歳、女性
C.C.;台所仕事で立っていられないくらい足腰が痛む
P.I.;1年前より、腰下肢痛出現。ヘルニアが原因と言われ、内服治療しているが、台所仕事で途中で休まないと行けない。治療しているが徐々にひどくなっている感じがする。痛みが引かなければ、手術と言われている。手術は年だししたくないので、漢方や針灸でどうにかなりますかと依頼あり。
治療&経過;東洋医学では『冷えると痛む』と考えると説明し、年と共に陰に傾くから体を冷やす陰性食品(茶、ミカン)を制限と指示。鍼治療は調気(四関穴、三気海)、肘関節の膝三穴に置針し運動療法、頸背部の凝りに置針。漢方薬は裏寒に人参湯合附子末、腎虚瘀血に八味丸合駆瘀血剤を投与。1週間後かなり良い。2週間後、台所仕事しても休まなくて良い。1ヶ月後ほとんど日常生活に支障なし。
【コメント】この方も(症例4)同様、ミカンが主原因でした。毎食後のミカンを止められて症状が軽減しました。途中でミカンを食べられて痛みが出現し納得されました。『冷えると痛む』は本当で、『年よりの冷や水』若いときと同じように食事をしていると、酷い目にあうとーーーー。
他にも沢山の『年よりの冷や水』の例があります。コーヒー、茶、柿、梨、牛乳、バナナ、トマト等などーーー

当院について

自然
50歳をすぎて始めた東洋医学の治療効果--西洋医学だけの時よりも患者さんの治り方があきらかに違う。
人が本当に治るというのはこんな治り方をするのかと感激しさらに東洋医学のふかみにはまりました。
整形外科以外の他科疾患--例えば眼科、耳鼻科、精神科、皮膚科などの症例もすこしづつ増えて本当に治っていきます。
そんな方々の声があります。
患者さんと私や当院のスタッフはその事を知っていますが、それ以外の人はほとんど知りません。患者さんの了解を得て『患者のこえ』の作成を思いつき、それを公開しようと考えました。色々やってみたが--、体質とあきらめている。年のせいとあきらめている。等等--東洋医学の門をたたいてもらえれば一助になるかもしれません。

医院概要

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【院長】樋口 理
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